薬草タバコ

タバコ~アヤワスカのお母さん

 現在、タバコのイメージは悪い。私は喫煙の習慣はないが、セレモニーに際してタバコは頻繁に用いる。ちなみに現代タバコは、個人的に「シガレット」と呼び区別しており、セレモニーで用いるタバコとは似て非なるものである。

 そもそもタバコは薬草として非常に有益な存在で、食む、飲む、吸うことはもちろん、虫除けや魔除けとしての効能もある。シャーマニックな用い方としては、免疫の強化、排毒、自分の能力を思い出させ、他の薬草とのつながりやパワーを強める、精神世界との懸け橋を作り、場を清浄に保つ、オファリングのツールなどなど。

 植物はそれぞれ自然のエレメントと結びついているが、タバコは自然のすべてのエレメントと結びついているといわれ、特別視される由縁でもある。

 シャーマンの世界で、タバコと関わらないものはいないとも言われ、タバコは「魂の通り道」という異名もある。また、こんな言葉もある。

★もしタバコを吸わないのなら、あなたは薬草について学ぶことはないだろう。

★マパチョ(タバコ)を吸わなければ、ヘビは寄ってこない。だから吸うんだよ。(※ ヘビは、アヤワスカの精霊、森の主とも言われている。)

 タバコは、アヤワスカと並ぶ植物のマスターで、アマゾンの伝統においては、特にユニークな存在とされている。

 また、複数の現地のシャーマンに聞いたり、リサーチしてみたところ、アヤワスカを生んだのはタバコという話もあるし、最初に地上に生まれた植物をタバコという人もいる。

 シャーマンは、タバコの力を借りて、死を再現し、他人を癒し、魂を再生し、死を克服することができると考えている。現地のリトリートセンターでも、タバコジュースが用いられることもあり、伝統的な薬草の中でも群を抜いて珍重されている。

 セレモニーで用いるタバコジュースは、強さ、守護、ポジティブなエネルギーや光の意識などをもたらすと考えられている。グラウンド能力を高める教育的な植物でもあり、浄化、トラウマや中毒性からの脱却、精神性の扉を開く役割もある。

シャーマンとシャーマニズム、アヤワスカ、ラペ、ハペ、カカオなどのプラント・メディスン探求

 現在、喫煙者の数は昭和に比べると減少の傾向にあるが、喫煙者は、タバコの煙を吸うという物理的次元を飛び越したシャーマンの「行為」だけを真似して、タバコを「ポンピング、消費」しているだけなので、肺がんなどの影響を引き起こすことになっている。火を使った喫煙が悪いわけではないのだが、まずは固体と液体の形でタバコを吸収するという段階を経なければ、火のエレメントの次元で拡張子を広げていくことはできない。

 タバコジュースは、強烈なクレンジング効果を引き起こす。カエルの毒、カンボ以上と言う人もいる。激しい嘔吐は苦しく、二度と飲みたくないと思うかもしれない。しかし回数を繰り返していくほど、そのパワーとエネルギーの虜になる。

 なお、くれぐれも重ねて書くが、ここで触れている薬草タバコは、コンビニなどで買える一般的な「シガレット」とは異なる。決して、見よう見まね、素人判断でそれらを煎じて飲んだりされないように。

 タバコのイメージは、男性的であるかもしれないが、非常に女性的で優しいエネルギーも感じる。一度、薬草タバコと繋がりができると、お母さんのような気がしてくるのである。