薬草タバコ

聖なるマパチョセレモニー

 2022年は、日本でもアヤワスカの名前が人に知られた年でもあったが、聖なるタバコはアヤワスカほど脚光を浴びていない。しかし、アヤワスカを人に教えたのは、実はこのタバコであったという説もあるし、アヤワスカ以前にセレモニーに用いられていたことを知る日本人は少ない。8000年前からこのタバコは人に関わってきており、最も古い植物の一つとも言われている。

 タバコは、アマゾンの薬用植物の王様とも言われ、タバコがなければシャーマンは誰も何も癒やせないという言葉もある。タバケイロ(タバコのヒーラーシャーマン)のなかには、「タバコの煙がなければ、癒しの力は生まれない」という人もいる。

 直接的な幻覚作用はないものの、消化が進み、繋がりができてくると、ビジョンや教えを、夢のようにもたしてくれる働きがある。まさに、教育的な植物、「偉大な教え手」でもある。

 また、一般的には「タバコは吸うモノ」と思われているが、それはシャーマンの世界では限られた使い方で、セレモニーに参加した方はおわかりのように、飲む、食む、嗅ぐなどの用法がまず第一歩である。日常的には、目薬、チンキ、点鼻薬としても使える。

 ペルーの原住民、シピボ族は、アヤワスカと同じくらい、マパチョを重要視しており、シャーマンとその他の植物とのスピリットをつないでくれる、メディスンセレモニーには欠かせない存在だと考えている。母なる大地パチャミリや、その他の植物に捧げるのもそれらが理由でもある。

 つまり、アヤワスカと双璧をなす、大切なメディスンということだ。

 私は個人的に、この薬用タバコ、マパチョを、「植物メディスン界のパチャミリ的存在」とも呼んでいる。