アヤワスカ

私の初めてのアヤワスカ体験7-1@ブラジル

 人はどこから来て死後どこへ行くのか、なぜ生きているのか、神とは? 宇宙とは?を追究し始めた結果、多くの人がたどるように、私も精神世界へどっぷりはまり始めた

 そして瞑想の世界へ

 そこで出合ったのが「変性意識」というキーワードだった。通常の覚醒状態では得られない意識の世界へ飛ばなければ、自分の知覚を通して神を感じられないのではないかと思うに至ったのだ

 この変性意識に入るためのツールはいくつかあって、たとえばヘミシンクやブレスワーク、阿字観、断食など。また、昔、流行った気絶ゲームをアレンジして気功治療を謳っている施術家を訪ねたりもした。いずれも体験としては面白いし、気絶して覚醒する瞬間は、エクスタシーでは表現できない法悦感もあった。けれども、私が求めているものではなく、そこには成長や気づきを得られるものはなかった

 こうして、日本全国の霊能者やら怪しい団体を訪ね歩く、求道の日々が続いた

アヤワスカ

 そんなさなか、アヤワスカという言葉に出合う。今日、ネットやSNSでは、アヤワスカについての情報が飛び交っているが、当時は本も数冊しかなかった。Youtubeで、アヤワスカ体験を語っている日本人がこれだけ多く見られる今からは想像もつかないが、情報が少なければ少ないほど、想像と好奇心が掻き立てられる。それからは狂ったように、アヤワスカを飲みたくて恋焦がれる毎日だった

 本を通して得られる断片的な情報ではあったが、実証主義の私が、これまで色々試してみた何ものにも匹敵しないものに思えた

 自分の体がなくなったようになる、前世を見た、死んだ父親が、母親が、ペットが出てきた、自分が鳥になって大空を飛んでいる、自分が細胞のように小さくなってなくなる、大蛇に首を絞められる、生まれてきた幸福感に涙が止まらない、自分の過去の過ちの理由が分かった…などなど

 驚くべきは、糖尿病やうつ病、精神病が寛解したエピソードもあることだ。実際、製薬会社や医師も現在精力的に研究を続けているし、南米にはリトリートセンターもある。治療に通っている人も少なからずおり、日本人のエピソードもYoutube上で見られる

 

 アヤワスカには、強烈なDMT(ジメチルトリプタミン)が含まれており、ドラッグとみなす向きもある。それでも、アヤワスカに関する記述を見れば見るほど、ただのドラッグとはどうしても思えず、いつも心に引っかかっていた。ペルーでは、アヤワスカは国家遺産に認定されていることを鑑みれば、アヤワスカはやはり、れっきとした「メディスン」なのだ

 こうしてアヤワスカを知って3年程経っただろうか、今から20年程前になるが、ブラジルに伝手があった私は渡伯し、ついにアヤワスカに出合う機会を得た

 現地のシャーマンの導きを得て、私はついに憧れのアマゾンの秘薬を口にすることができたのだ