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期待効果

 心理学では、自己充足的予言を「期待効果」と言い、特に幻覚剤実験中に、きわめて顕著に見られることが指摘されている

 つまり、幻覚剤の被験者が、自分があらかじめ見たいというビジョンや世界観をもって幻覚剤実験に臨むと、その「期待」に応える結果が得られやすいというのだ

 20年ほど前、私が初めてアヤワスカを体験した日記を記した。この体験では、様々なビジョンがめまぐるしく展開されたが、そのなかに、人の痛みを感じるというものがあった。実はこの体験については、ある本を通してすでに読んでおり、自分の頭の中に強烈に残っていた記憶がある。その他の体験は、自分の顕在意識では、まったく認識も「期待」もしていたものではなかった

 アヤワスカのレシピのベースは確固としてあるが、実際には様々で、部族やシャーマンの意図によって多様、それこそ「無限」と言っていいだろう。浄化やビジョンを得るため、霊につながるためなど、目的に沿った植物を掛け合わせることもある。プラス、シャーマンの意図や力量にも左右される。対照実験が成立しない世界なので、この期待効果については検証が不可能だ

 何より、本人の意図に加え、最後は「委ねる」ことも大切だと重ね重ね感じる

 「サイケデリック・トリップでは、あなたが求めるものが与えられるとは限らないが、必要なものは与えられる」と言われる

 「アヤワスカを飲めば○○○できる、○○○される」という期待を否定はしないが、アヤワスカは宝くじではない

 時に、数回飲んだだけで自分の「期待」がかなえられることもあるようだが、実際には、例えば病を癒やすには、その病に至った原因だけを見せられるときもあるし、全く違った切り口で自分のエゴがあぶり出されることもある。毎回、「そうくるか~」とか、「自分ですら気づかなかった心のキズやトラウマ」が出てきて、絶句や号泣という反応が自然に出てくることもある。そこには、マインドや思考を超えた「感動」しかない。まさに「感」情が「動」くのである。愛に包まれながら。。。