アヤワスカ

私の初めてのアヤワスカ体験7-6@ブラジル

 しばらくすると、私は私以外の誰かの細胞の一つになっていた。どうして細胞の一つだと分かるのか?と尋ねる人がいることだろう。しかし、それは自分の魂が「理解している」としか言いようがない

 そして私は、ある心無い言葉がその人に浴びせられるのを体験した。その瞬間、一つの細胞である自分がキュウキュウと、子犬が鳴くように痛みきしむのを感じ、声を上げて泣きそうになった。本当にキリで刺されるように自分が「傷ついて」いるのが分かる。やがて私はこらえきれなくなり、涙腺が破れるように涙を流した

 誰かから掛けられた乱暴な言葉は、声をかけられた人の細胞にまで突き刺さり、それがいかにダメージを負うのか、私はその細胞になって「体験」させられたのだ。寝ている2人にまた気遣いながら、私は両手を口にあてて嗚咽をこらえたが、ヒックヒックと背中が動くことまでは抑えられなかった。言葉は人を傷つけることもあるというが、正確にはその人の細胞にまで影響を及ぼしている。身を以て体験した私は、次なる展開へ…、そして、涙の洪水に巻き込まれていくことになる

 気づくと、私は風になっていた

ペルー、ブラジル、コロンビアなど南米で有名な原住民による「アヤワスカ」を始めとした様々なメディスン、カカオやタバコ、カンボ、ラペ、ハペ、サナンガなどを探求。その他、ブラジルの古武術、カポエイラ、カポエラなども行っています。

 さあ、シラフの皆さんはそろそろついてこれなくなってきているころだろう。だが、筆を進める

 私は風になっていた。これも自分が分かるからわかるとしかいいようがない。おそらくアヤワスカ経験者は納得してくれることだろう。自分が風になっているから、風になっているとしか書きようがない

 風になった私は、大地を自由に飛んでいて、まさに自由自在、無限のパワーを秘めていた。しかし風ゆえに、人の目にはその実態が見えない、認識されていないという寂寥感をやや抱いているのが分かる

 やがてその風は、大地と一体になり、溶け込み融合し、自然の草々に変化した。そう、私は今度は草になったのである。私は人であったはずだが、草にもなれるし、草と融合しているのである。人と自然とは一体とはいうが、それを意識の世界で実感した私は、この世が、この宇宙がいかに壮大なものかを体感する。皆同じはらからの友、皆同じ神の子、ああ、ああ…また涙が止まらない。もはや止まらない涙をぬぐうことも億劫になり、枕が涙で濡れ始めたのを感じてはいたが、次の展開に身を委ねた