自然の声を聴き、
スピリットと共に舞う
シャーマニック舞術
南米ブラジルの無形文化遺産
カポエイラ(カポエラ)
に関わり、20年ほどが過ぎたころ、シャーマニズムを学ぶことで、さらにその理解が進んできました
皆さん、こんにちは
ボス・カポエィラージェンのUrutu Cruzeiroと申します
当時マイナーだった日本のカポエイラは今や大きく拡がり、多くの子供たちにも楽しまれています
しかし、カポエイラ愛好者が増えるにつれ、その動きやテクニックはますます洗練されていく一方、カポエイラの原点やアフリカをルーツとするそのスピリットは、反対にますます忘れ去られていく傾向にあります
柔道や剣道がメジャーになるにつれ、古武術である柔術や剣術が廃れていったように…
そのルーツとスピリットを掘り起こし研究していくうち、その原点にはシャーマニズムが在ることが分かってきました
カンドンブレという民俗宗教などが、カポエイラに大きな影響を与えたことはよく知られています。すなわち、現代カポエイラを遡れば、カポエイラ中興の祖であるビンバ師範やパスチーニャ師範以前のカポエイラージェンに辿り着き、カポエイラージェンをたどれば、カンドンブレ。カンドンブレをたどると、シャーマニズムに辿り着くのです
そこで、現代カポエイラの「根っこ」を探究し、同時に自分の芯となる「根っこ」を生やすためのシャーマニック舞術を研究、伝授していくため、発足したのが… シャーマニック舞術「Boss Capoeiragem」です
カポエイラは世界でもまれなシャーマニックな武術。音楽と歌を用い、時には踊り、闘う、その全身と魂を使った表現に魅せられる人は多くいます。しかし、柔術が柔道に発展していったように、現代武道の多くは、スポーツ化、大衆化、商業化、時には観光化していきます。そのためには、シャーマニックな観点がどんどんそぎ落とされていくのです
例えば、カポエイラで用いられる歌には、膨大な数があり、歌い手はその膨大な数の歌のメロディと歌詞を暗記しています。そしてカポエイラで用いられる歌の多くは、dominio publicoと呼ばれる伝承歌で、もともとはカポエイラの歌ではなく、日本で言うところの民謡や地域で親しまれていた歌がほとんどです。そのため歌詞とカポエイラとの関わりは本来なく、歌詞の解釈に頭を悩ませるカポエイラ使いも多くいました
しかし、シャーマニックな観点から歌を感じていくと、そもそも歌を覚える必要もないこと、それらの歌詞がカポエイラと関係ないこともはっきりとわかってきます。ポルトガル語の歌を暗記するのに苦労する必要もない。けれども勝手に歌が降りてきてレパートリーは無限。そして歌詞もそのときにしか生まれないことが実感できてくるのです
カポエイラは格闘技?
それともダンス?
よくあがる質問です。自著では、「カポエイラはカポエイラなのです」と書きましたが、今はそれに加えて…
『カポエイラは格闘技? ダンス? いいえ、そのルーツは「舞ひ」です』
と答えるかもしれません。
カポエイラを格闘技として取り組んでいる方は、「カポエイラ? ああ、あのダンスみたいな?」と言われると気分を害する人もいます。しかし、その反応はダンサーにとっても失礼ですね(苦笑)。日本の古流武術や舞踊との関わりを見れば分かるように、カポエイラの原点は格闘技やダンスではなく、「舞ひ」にあります。舞ひが原点なので、武術にも踊りにもなり得るのです
そしてこの舞ひには、決まった型や動きはありません。木の葉が風に舞うように、海の波が風に舞うように、一度たりとて同じものは生まれません。それらはスピリットが導くものだからです。そこには、先生や先輩、団体といった枠組み、こうすべき、ああすべきという制限はありません。本当に自由な世界、無限の世界です
当会のカポエイラは、一般のカポエイラと同じ動きもたしなみますが、すべてはスピリットありきというコンセプトのもと、自分の体と心、そして魂につながる、いわば「動く瞑想」。学校教育で「正解、不正解」を追求するクセが骨にしみこんだ人には、苦行になるかもしれません(笑)。それでも、時代や先人たちに洗練されてきた美しい動きやテクニックも否定しません。それらも含めてカポエイラの財産、当会ではそれらも含めて稽古していきます
そして、シャーマニック舞術へ
結局、カポエイラのルーツには「舞ひ」があり、それは非常にシャーマニックな世界。これらを突き詰めていくと、現代カポエイラの世界観では収まりきらない「何か」が表われてきます。それは、スピリットの世界。大自然と共に生き、生かされ、つながっていた時代の偉大なる叡智です
当会では、月に数回の単発型のワークショップ形式の講座を通じ、この武術をシャーマニック舞術として学んでいきます。舞(武)術とは言え、まったく闘いません(笑)。「本当に」、未経験者、老若男女を問わず、「舞ふ」ことから始めていけます
クラス内容の一部ご紹介
★大地とつながる立ち方と這い
★風とつながる「舞ひ」
★イエマンジャとつながる水の「舞ひ」
★光に酔う「舞ひ」
★気の感覚を養うワーク
★受け身と関節技の基本
★武器術と「舞ひ」
★風から音、音から音霊、音霊から言霊へ
★古流カポエイラの腿法
★古流カポエイラの手技
★古流カポエイラの歩法
★音楽と舞ひと武術と… などなど
クラスのコンセプト
・シャーマニズムに基づき、「目に見えない」スピリットや感情を大切にする
・瞑想力と自然のスピリットを召喚する回路を開く
・自分を表現する歓びと楽しさを知り、表現能力を高める
・身体能力を高める
・正解不正解、勝ち負け、善し悪しが本来存在しない世界を体感する
・自分の中のぶれない芯を造る
クラス情報
・入会金や入会規約、入会申し込み等はありません
・ユニフォーム等もありません。ジャージ等動きやすい服装、飲料持参でご参加ください
・昇段システムや帯による進級等も採用していません(ヒエラルキーが生まれるため、また他者に評価される基準は必要ないため)
・カポエイラスタイルとしてのコンテンポラニア、ヘジョナウ、アンゴラコンテンポラニア、セクエンシア(約束組み手の型)、ビリンバウ等の楽器も学べますが、まずはスピリットの舞ひから練習します
・子供クラス(5歳~中学生)のレッスンは1回1,500円、大人クラス(大学生以上)は3,000円、クラスごとに現金でのお支払いとなります
※ 大人クラスでは、特にプラント・メディスンを摂取し、スピリットと繋がり、動きを促す場合もあります。その際、料金は1回5000円~15000円程度となります
・会場は、主に相模原市か町田市の公共の施設を利用。参加される方は必ずご連絡のうえお越しください。その際、場所の詳細をお知らせします。クラス日時は現在月に1~数回のペースで行っております
・各地での単発ワークショップ、講座なども受け付けております。お気軽にお問い合わせください
主催者紹介
Urutu Cruzeiro
合気道、ボクシング、柔術、跆拳道、意拳、心意拳などを学ぶなか、カポエイラを知り、日本、ブラジルにてカポエイラを学び、15年間自身主催の道場を運営。併せて、カルチャースクール、ジムなどでのレギュラークラスを担当、大阪市内の小学校にてカポエイラ体験クラスを実施、3000名を超える小学生に指導。中学校の英語教科書のカポエイラ解説作成、大阪市営子供向け施設のカポエイラブースのプロデュース、その他、多数の雑誌・テレビ取材、出演などを通じ、カポエイラ普及に努める。日本初のカポエイラの本を上梓、その後、カポエイラと並行して学んでいたシャーマニズムを本格的に探求、2023年、Boss Capoeiragem(Boss Capoeira)を設立、指導を再開